talion gallery

石川卓磨キュレーション プロローグ
Tell all the Truth but tell it slant ー真実を語りなさい、しかし斜めに語りなさいー

2013.6.8 - 6.22
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Artists:
外島貴幸
豊嶋康子
箕輪亜希子
吉田正幸
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本展覧会は、2013年12月に開催が予定されている、石川卓磨キュレーション展のプロローグとして位置づけられる展示プロジェクトです。この他にも石川キュレーション展の関連企画としては、今年1月よりWeb上で継続的に展開されている、同タイトルのブログによるプロジェクトがあります。 (https://totomiyo.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html)
本展では、4名の参加作家それぞれが、テクスト、ドローイング、漫画、パフォーマンスなどジャンルを横断した思考に基づき、鉛筆のみを使って制作するウォール・ドローイングが展示されます。鉛筆は、書く/描くものとして伝統のあるオーソドックな素材ですが、巨大な壁面と空間との不釣り合いな関係によって、ネット空間とは違う形で作家の試みや制作の基本姿勢が反映されるでしょう。また会期中には、造形作家・批評家の岡﨑乾二郎氏と、キュレーターの薮前知子氏を招いて、トークイベント「展覧会の想像力」を行います。
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Curator Statement
本展覧会は、2013年12月に開催が予定されている石川卓磨キュレーション展のプロローグとして位置づけられる展示プロジェクトです。「Tell all the Truth but tell it slant-真実を語りなさい、しかし斜めに語りなさい-」は、一つの展覧会で完結するものではなく、複数の企画が結びつきながら作り出されていくプロジェクトです。2013年1月よりWeb上で継続的に同タイトルのブログによるプロジェクトが展開されています。
「Tell all the Truth but tell it slant-真実を語りなさい、しかし斜めに語りなさい-」の参加作家である外島貴幸、豊嶋康子、箕輪亜希子、吉田正幸に共通していることは、彼らが制作行為のなかにある躓きと、社会や生活のなかにある躓きを結び付け、自己言及的な問いを自己循環することなく、外部へと広げていく思考の方法と姿勢にあります。また、彼らの制作は、既存のジャンルやスタイルに向けられたものではなく、その都度メディアやメディウムの開拓を通して作品を生み出しています。
本展では、この4人のアーティストが、鉛筆のみを使って、テキスト、ドローイング、漫画、パフォーマンスなどジャンルを横断した思考に基づき制作したウォール・ドローイングが展示されます。壁面や展示空間のサイズにたいして不釣り合いである鉛筆を用いてウォール・ドローイングを制作することは、強度を持ったスペクタクルによって観る者を説得することよりも、この制限によって現れる作家たちの身体と思考の働きに注意を向けさせます。壁にテキストやイメージを直接鉛筆で書き込むことは、子供のいたずら書きのような感覚を含みながらも、通常作品として採用されることのない周縁にある思考やアイデアを積極的に活用することを可能するものです。このことは、ブログとも共通した性質であり、全プロジェクトを通して一貫したコンセプトの一つになっています。
本展は、4人の作家が共同的に一つの作品を共作するものではなく、また、作家が割り振られたスペースを作品のために最大限に活用し、他の作家や作品から干渉されることなく展示するグループ展とも異なっています。作家たちはそれぞれ個別的なコンセプトを持ちながらも、鉛筆の痕跡群は、そのなかで相互的な関係を持っています。そのためウォール・ドローイングの総体は「一」にも「多」にも還元することができなくなっています。ここでは作家と作家の、作品と作品の境界が曖昧であり、積極的に隣り合い、ある場面では重なり合っています。また、一人の作家が書いたものは、複数の壁面に分散して配置され、作家の全体性は散逸しかかっています。
このウォール・ドローイングにおけるイメージやテキストはそれぞれが完結しているとしても閉じてはいません。複数の作者の複数の意図によって描かれたそれらは、一つが他に対して、あるいは自らが自らに対して、交渉、分割、連結、孤立、制限、対比、転用、誘導の働きかけを持っています。その働きかけによって作り出される複数の回路が、壁面の空間上でいくつものテリトリーを生成します。ここでのテリトリーは自明なものではなく任意に引かれる、結ばれる境界だといえます。たとえば国境も、ある時点において境界が恣意的に作り上げられたものにすぎません。それを自明なもの=自然なものと捉えるという考えや制度によって歴史を一方的に固定化していく権力を疑うこと。ここで単に境界をなくし、無秩序を肯定するのであれば、部分と部分のオルタナティブな回路は結ばれることはありません。壁面上に作り出される複数のテリトリーは、パズルゲームのように回路の設定によって変形し、境界線はその都度作り変えられる。本展における作家たちの、あるいは作品たちの共同性には、そうした可能性を含んでいると私は考えています。
石川卓磨
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ギャラリートーク:展覧会の想像力
日時  2013年6月18日(火) 19:30-21:30 (19:00開場)
会場  TALION GALLERY 台東区谷中3-23-9
定員  30名 要予約
    ※予約の受付は終了致しました。
入場料 ¥1000 (1ドリンク付き)
参加者 岡崎乾二郎(造形作家/批評家)
    薮前知子(キュレーター)
    石川卓磨(美術作家)
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